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ルディー和子「マーケティングの深層と真相」(1月1日)

アマゾン、欧州との対立激化、なぜ“徹底した強気”? 低利益でも高株価維持の秘密

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 アマゾンというかベゾスCEOは「すべては顧客のために」と強く信じている。だから、フランスで敵対的法案が成立しても、ひるむことなく0.01ユーロの配送料金を課すという大胆な行動に出る。ドイツで労働組合と交渉したくなければ、物流センターの場所を変えても、即日配送と配送料無料を維持しようとする。売り上げが伸びるということは顧客の賛同を得ているとする、ぶれない信念があるようだ。

 米国の経営者は戦略を立てる際に「シンプル」という言葉をよく使う。アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、自分のモットーは「Simplicity(シンプルであること)」と「Focus(一つのことに集中する)」だと語っていた。アマゾンのベゾスCEOも、顧客満足というたった一つのことに集中して、政府が介入してこようが、その国特有の文化であろうが決してぶれない。これは非常に難しいことであり、実際には大半の企業が状況によって妥協している。大企業だから妥協せずに済んでいるともいえるが、妥協しないでやってきたから大企業になったともいえる。どちらにしても、ブレのなさにはやっぱり感心する。

●暮らしをつかさどる二次元軸の両方で消費者にアピール

 ベゾス、ジョブズ両氏を参考にして、先進国の消費者をお金と時間の視点から単純に分類して考えてみよう。

 お金を持っている人は忙しく働いているので、基本的に時間がない。反対に時間がある人はフルタイムの仕事でないか報酬の低い仕事なので、お金がない。そして、働かなくても資産を親から受け継いだ富裕層タイプのように、お金も時間もある人の割合は少ない。お金も時間もない人、いわゆる「働けど働けどなお我が暮らし楽にならざり、 じっと手を見る」の層は、ターゲット顧客としては企業にとって魅力がない。つまり、アマゾンはお金と時間という20世紀後半から人間の暮らしや人生をつかさどる二次元軸の両方でアピールすることで、消費者の大半を魅了することに成功した。21世紀のこれから、この二次元軸にエコロジーが加わって三次元軸になるかどうか。そしてその時アマゾンはどのような対応をしてくるのか。注目すべきテーマである。
(文=ルディー和子/マーケティング評論家、立命館大学教授)

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