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江川紹子の「事件ウオッチ」第93回

サンフランシスコに続き、マニラでも慰安婦像設置 私たちはいかに前に進むべきか…江川紹子の提言

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 もちろん、史実にそぐわない、あるいは不確実な情報が後世に伝えられるのはよくないし、こうした像設置が憎悪の原因になるのは望ましくないという観点から、碑文の内容は工夫する必要があると思う。そのためには、元慰安婦を貶めたり非難したりするのではなく、「建てるのであれば、お互いのためになり、今も続く女性への暴力などへの警鐘にもなる普遍的なものにしませんか」という提案もできたのではないか。

“もの言う人々”による最悪のイメージ戦略

 慰安婦像に強く反対する人たちのなかには、「慰安婦はただの売春婦」などと言い、これが当時の女性たちの人権を損なった問題であることを否定し、「慰安婦問題などない」と言い募る者もいる。彼らは、元慰安婦を罵れば一時的に気持ちがすっきりしたり、「日本の名誉のために戦った」という独善的な自己満足に浸れるのかもしれないが、その挙げ句に自分たちの主張は何も入れられないで終わるというのは、戦略も戦術もないままに敵地に突っ込んで玉砕するに等しく、少しも建設的でない。

 2年前の日韓外相による合意で、日本側は「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している」と認めているわけで、慰安婦問題はなかったという強弁は、有害無益にほかならない。

 今や慰安婦問題は、戦時性暴力の象徴として受け止めるのが国際的な潮流で、それを否定しようとすればするほど、問題はクローズアップされる。メディアに取り上げられて「歴史に学ぼうとしない日本」のイメージが流布するのは、点在する慰安婦像より、ずっと日本の印象を悪くする。最悪のイメージ戦略といえよう。

 この問題について「ものを言って」きた人たちは、まずはそういう反省が必要ではないか。

 一部メディアは、海外で慰安婦像が建てられる動きを「反日宣伝」「歴史戦」などと呼んで、政府の対応が生ぬるいと叱咤する。たとえば、12月15日付読売新聞社説はこう書いた。

「深刻な事態だ。慰安婦像の設置によって対日関係が悪化するという認識が、フィリピン側には欠けているのではないか。日本政府が撤去を求めたのは当然だろう」

 なんという居丈高な態度か。そう思われても仕方がない書きっぷりである

 戦争の被害を記憶にとどめる記念碑を、それぞれの国が自国に設置することを、どうして日本がやめさせたり、撤去を求めたりできるのか。日本には原爆や空襲による被害者を慰霊する碑がいくつもあるが、それは核兵器や戦争の悲惨さを伝え、平和を祈るものであって、反米のためではない。それに対してアメリカが撤去を求めたり、設置を妨害しようと圧力をかけてきたら、どうだろうか。

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