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東電、エゲツない土下座営業…他社に契約切り替えの客に、破格の安値攻勢で奪い返し

東京電力ホールディングス・川村隆会長(ロイター/アフロ)

 電力小売り全面自由化から2年が経過し、東京電力ホールディングス(HD)のなりふり構わぬ営業攻勢が業界内に波紋を広げている。薄利多売どころか利益を度外視しているとの指摘もあり、競合他社からは「あまりにもえげつない」と批判の声が高まっている。

「もはや土下座営業ですよ。あれは」と苦笑するのは都内の中堅企業のオーナーだ。同社では昨年、東京電力から電気料金が割安なある新電力の会社に切り替えた。直後、東電の担当者が血相を変えて接触してきたという。

「こちらはもう契約してしまっているのに、『切り替えたところと同じ料金にするから考え直してくれ』と執拗に迫られた。それまでは料金を安くするなんていう提案は一切なかったんですがね」

“殿様商売”を続けてきたかつての東電では想像できない姿勢だが、法人用の電力やガス市場で東電の暴走を指摘する声は少なくない。法人向けは家庭用など小口に比べて、一件当たりの供給量が大きい。

「2016年4月の電力小売り全面自由化以降、家庭向けでは東京ガスに顧客が100万件以上流出しているが、正直、大した痛手とは思っていないはず。むしろ、営業効率からも大口を取り込んだほうが良いと考えているのではないか」(電力業界に詳しいアナリスト)

 実際に東電は、東電から新電力や域外の大手電力などに供給元を切り替えていた法人の顧客を、安値攻勢で次々と奪い返している。

 都市ガス首脳は、こうぼやく。

「こっちが原価にわずかな利益しか乗せない見積もりをつくっても、東電がそれよりも低い価格を提示して受注をさらっていく。1割、2割普通に引いてくる。どう考えても採算割れしているとしか思えない」

 最近では東電が相見積で入っていると聞くと、「見積もりをつくるのも無駄」と降りる企業も増えている。

競争原理を歪める


 なぜ安値攻勢が可能なのか。東電HDは傘下に小売り部門の東京電力エナジーパートナー(EP)、発電部門の東京電力フュエル&パワー(FP)、送配電部門の東京電力パワーグリッドを抱える。恐ろしいことに、電気事業法には、発電部門と小売部門間の仕切り値に関して規定はない。そのため、東電EPがFPから常識で考えられない安い値段で電気を仕入れても問題ない。電気の卸値でFPがグループ内と、新電力やほかの大手電力と恣意的に大きな差をいくらでもつけられることになる。

 前出の都市ガス首脳は語る。

「東電の安値攻勢を『自由化の成果』と指摘する識者がいるが、グループ内の単なる利益の付け替えにすぎない」

 もちろん、民間企業ならばこうした営業行為をしようが勝手だ。だが、東電は国主導で名を残し、東日本大震災での事故処理費用の一部を国民が担っている企業であることを忘れてはいけない。競争原理を歪めるような事業運営は、果たして東電の再生につながるのか。
(文=編集部)

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