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スルガ銀行、経営破綻も取り沙汰…不正横行の疑いで金融庁が検査、異常融資で自殺者も


かぼちゃの馬車オーナーたちの惨状

 かぼちゃの馬車だけではなく、シェアハウスでは軒並み賃料の未払いが起こっている。シェアハウスのクレジットリスクに関して、スルガ銀行はどう考えていたのか。

 かぼちゃの馬車は、スマートデイズの借り上げ期間が30年間だった。これほどの長期にわたり、賃料を保証できるものなのか。このビジネスモデルは本当に大丈夫なのか。想定していた入居者の賃料は現実的なものだったのか。利益が出るように見せかけるために、架空の賃料を設定したのではないのか、などの疑念が生じている。

 東京の足立区や葛飾区で大量に新規に建てられたシェアハウスは、機能面だけでなく、入居者(ターゲット)の差別化がまったくなされていない、という不動産ブローカーの指摘もある。

 融資のプロであるスルガ銀行の担当者なら、このような収支見通しは「砂上の楼閣である」と、すぐに気付くはずである。

 全体を俯瞰すると、16年、17年の不動産投資&融資は活況というより異常だった。

 かぼちゃの馬車オーナーに関しては、「新築の建物を取り壊して、更地にして売るしかない」(不動産コンサルタント)という厳しい現実が待ち受けている。自己破産を免れた人でも、建物の取り壊し→更地にしての売却で、相当額の損失を被ることになる。もちろん、借り手にも当然、責任はある。融資を受けた人の自己責任は厳しく問われることになるだろう。

 一方、スルガ銀行に“貸し手”責任はないのか。金融庁には、シェアハウスのオーナーたちが納得できるような結論を出してもらいたい。

スマートデイズの闇

 1月に解任されたスマートデイズ元社長の大地則幸氏に、年7000万円の高額報酬が支払われていたことが明らかになった。

 東京地裁に提出した民事再生手続きの開始申立書に記載されていたところでは、15年8月~16年3月に6666万円、16年4月~17年3月に7083万円支払われていた。大地氏以外の数人の役員にも年1000万~2500万円の報酬が支払われていた。

 4月14日に開かれたオーナー向け説明会では、大地・元社長がスルガ銀行の役員や大半の融資を実行した横浜東口支店長(当時)と面談していたことも明らかになっている。
 
スマートデイズは昨年夏、大学発のベンチャー、オーシャナイズと資本業務提携し、オーシャナイズの傘下に入った。昨年10月、スマートライフをスマートデイズに社名変更している。

 今年1月中旬のオーナー向け説明会で、オーシャナイズ代表の菅澤聡氏がスマートデイズのトップに就任することが公表された。

 だが菅澤氏は、“倒産”寸前の4月2日、「一身上の都合」で社長を辞任。オーシャナイズの赤間健太氏が新しい社長になった。「敵前逃亡」とオーナーらは批判している。

 かぼちゃの馬車の経営破綻の原因をつくった元社長らが高額報酬を得ていたことについて、物件オーナーたちは「許せない」と激しく反発している。
(文=編集部)

【5月10日追記】

●行員の改竄への関与を示す音声データを弁護団が提出

 スルガ銀行は5月8日、2018年3月期の連結純利益が17年3月期に比べて50%減の210億円にとどまると発表した。かぼちゃの馬車のオーナー向け融資で焦げ付きのリスクに備え貸倒引当金を400億円積み増したことが響いた。

 かぼちゃの馬車のオーナーの弁護団は8日、スルガ銀行側と融資契約の白紙撤回を求めて協議したが、同行の顧問弁護士は「法的責任が明らかにならない限り、元本の減免は難しい」との従来の主張を繰り返した。弁護団は第三者委員会を設置し、客観的に契約に至る経緯を検証するよう求めた。

 弁護団は7日、物件を販売する不動産業者が、オーナーに購入資金を融資するスルガ銀行の担当者との電話での会話を録音したとする音声データを公開した。音声は16年4月に録音されたものだという。記者会見した弁護団の河合弘之弁護士は「スルガ銀行が融資審査を通しやすくするため、通帳などの改竄を指示していたことがわかる」と主張した。スルガ銀行側は「内容を確認していないのでコメントできない」とした。

 8日、弁護団はスルガ銀行の行員が所有者の所得や資産を示す資料の改竄に関与したことを示しているという、この音声データをスルガ銀行に渡し、5月末の次回の協議までに事実確認するよう求めた。弁護団は来週にも私文書偽造などの疑いでシェアハウスの販売代理店やスルガ銀行の行員を刑事告発するとしている。

 18年3月期決算で400億円規模の貸倒引当金を計上することに関しても、「銀行が持っている所有者の所得や年収を証明する書類は偽造されている。それに基づいて、どうやって返済の可能性を検証できるのか」と疑問を呈した。スルガ銀行の監査法人である新日本に対して、「決算に適正意見を出さないよう」申し入れる。

 スルガ銀行の株価は4月19日に1200円の年初来安値をつけてから反発していたが5月8日、弁護団が銀行の不正への関与を示す証拠として行員の電話を録音した音声データを公開したことから大幅安となり、一時、1380円(前日比164円安)となった。

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