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垣田達哉「もうダマされない」

アメフト部監督が経営を牛耳る日大、もはや大学行政の問題…理事長が会見しない異常さ

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5月22日、記者会見をする日本大学・宮川泰介選手(写真:日刊現代/アフロ)

 日本大学対関西学院大学のアメリカンフットボール定期戦における悪質タックル事件は、加害者である日大選手が22日に記者会見を行い、あとは学校法人である日大、および同学アメフト部の内田正人前監督ら指導者に対する処分の問題が残された。

 レスリング界のパワハラ問題もそうだが、今回の悪質タックル事件にしても、国及び国会の対応が非常に甘くて遅い。これは、日本企業だけでなく日本の政治の危機管理能力の低さを露呈している。

 ひと昔前は、こうした問題に対し政府や野党はもっと機敏に対処していた。筆者は2002年の雪印食品BSE(牛海綿状脳症)補助金詐欺事件以降、さまざまな食品偽装事件を見てきたが、以前は企業の不祥事に対する国の対応はもっと機敏な面があった。

民間の不祥事に対して厳しい処分


 食品偽装事件に関して、これまで国は大手企業に対し意外にも厳しい処分を下している。典型的なのは、雪印グループの解体だ。2000年、雪印乳業は1万人を超える被害者を出す集団食中毒事件を起こした。2年後には、子会社の雪印食品がBSE補助金詐欺事件を起こしている。その結果、雪印食品は会社を清算し消滅したが、雪印乳業は規模を大幅に縮小しながらも、雪印メグミルクとして存続した。1万人もの被害者を出した雪印乳業は存続した一方、雪印食品は消滅したのだ。

 これには当時、「大手乳業会社3社(明治、森永、雪印)を2社にすることは、市場の寡占につながるので雪印乳業を潰すことはできない。しかし、雪印食品は消滅させても社会への影響は少ない」という国の判断があったと考えられている。
 
 もっと露骨に国が介入した事件がある。それは、03年の日本ハムBSE補助金詐欺事件である。雪印食品同様、日本ハムも補助金詐欺が発覚した。この時、創業家である大社義規会長が名誉会長に留まり、プロ野球球団日本ハムファイターズのオーナーも続け、大社啓二社長は社長に留まる人事を発表したが、当時の小泉政権の武部農水大臣は、この人事に公然と異を唱えたため、結局、大社義則会長は無役となり球団オーナーも辞任、大社啓二社長は専務への降格となった。

 企業の不祥事に対し、国が人事にまで踏み込んで責任を取らせたのだ。これはある意味、「そうしないと日本ハムが潰れるかもしれないよ」という温情だったともいえる。真偽・正悪はともかく、国が不祥事を起こした企業に責任の取り方を教えたのである。

 一方、スポーツ界の不祥事については、大相撲もレスリングもアメフトも、今のところ国が介入する気配はない。大相撲の横綱による暴行事件もレスリングのパワハラ事件も、すでに過去の出来事として忘れられた感が強い。というより、国も関係者も「ほとぼりが冷めるのを待っている」のだろう。

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