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小笠原泰「日本は大丈夫か」

フランス政府、日産・ルノーの経営統合へ本格始動…比較的容易に実現か

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フランスのエマニュエル・マクロン大統領(左)とカルロス・ゴーン容疑者(右)(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 仏ルノーは24日、金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)と会社法違反(特別背任)の容疑で逮捕・起訴されていたカルロス・ゴーン会長兼CEO(最高経営責任者)の辞任を発表した。

 すでに述べたように、ルノーが株主としての権利主張を前面に押し出すと、そこにルノーの大株主であるフランス政府も当然加わってくるはずである。しかし、フランス政府のインタレスト(利益)は必ずしもルノーのそれとは一致せず、資本の論理では整理がつかないので、話が少し複雑になる可能性があり、日産にとっても上位の裁定者ないしは調停者の存在が必要になるだろう。24日に西川廣人社長がガバナンス体制の構築にめどをつけた上で、6月の株主総会を待たずして経営トップから退く意向を明らかにしたことは、日本側の裁定者・調停者の登場を予見させるものともいえよう。

フランス政府はゴーン氏逮捕をどう捉えるか

 ここから国の視点で、今回のゴーン氏逮捕劇に始まるルノーと日産の問題を考えてみよう。これまでの論考で、ゴーン氏逮捕をフランス政府は前もって知っていた可能性を検証したが、仮にそうだとして、フランス政府は逮捕阻止に動いただろうか。

 24日、ルノーはゴーン会長兼CEOの辞任を受けて、後任の会長に仏ミシュランCEOのジャンドミニク・スナール氏、CEOには現CEO代行のティエリー・ボロレ氏が就任すると発表した。この決定をうけて日産の西川廣人社長は同日、ゴーン氏と元代表取締役のグレッグ・ケリー氏の取締役解任と、ルノーが指名する取締役1人の選任だけを目的とする臨時株主総会を4月中旬に開催する方向だと発表した。次の課題は、スナール氏がゴーン氏同様に日産の会長および日産、三菱自動車との3社連合トップに就任するかである。

 ゴーン氏のルノー会長辞任前から、すでにフランス政府にとってゴーン氏は、日産との経営統合交渉における切り札的存在ではもはやなかったと考えられる。ルノーがゴーン氏を推定無罪の原則に基づき会長職をすぐには解任しなかったことと、フランス政府が両社の経営統合においてゴーン氏を絶対に必要としているかどうかは、別の話である。このあたりを日本のマスコミは理解していないと思われる。実際、ルノーではゴーン氏は辞任というかたちとなり、推定無罪を原則とする意味で、解職となった日産とは一線を隔したことになる。

 フランス政府が両社の統合をしたければ、話は比較的簡単だからである。実際、アライアンス解消の可能性は現実的には非常に低い。アライアンスをフランス政府優位のかたちにしたくない日産にとって、ルノー株の買い増しが悲願であっても、それはアライアンスに対する市場の不信を買い株価は下がるだろうし、ビジネスの観点では愚策であり、株主も支持しないことが想定できる。

 一方、ルノーが日産との間に交わした修正アライアンス基本契約(RAMA)を無効化して、議決権の行使や日産株の買い増しなど強硬策に出てきた場合、市場はむしろ一時的にはアライアンスの強化と評価するだろうから、強硬策を取ることはできるであろう。

 つまり、フランス政府にとってゴーン氏が絶対に必要というわけではなかったのではないか。要は、フランス政府が表に出たくないので、ゴーン氏が要となって統合を進めてくれるのであれば、いてくれてよいというスタンスだったのではないか。統合を進める過程で、今回の日産の日本人経営陣(オールジャパン)による奇襲攻撃というゴーン氏の逮捕は想定外であったろうが、統合が進めば、日本人経営者の拒否反応が起こることは想定の範囲内であっただろう。

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