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期待の大作『ハゲタカ』がフジ『グッド・ドクター』に叩き潰されてしまった理由

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 8月16日放送の連続テレビドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日系)第5話が、平均視聴率9.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。第4話の9.6%から0.3ポイント回復するも、2ケタ台返り咲きにはあと一歩及ばなかった。

 同ドラマの主人公・鷲津政彦(綾野剛)は、第4話で外資系投資ファンド「ホライズンジャパン・パートナーズ」を解雇され、今回新たに「サムライファンド」を設立。鷲津は、芝野健夫(渡部篤郎)が再生担当執行役員を務める大手電機メーカー「あけぼの」を守るため、米国の巨大軍需産業ファンド「プラザ・グループ」を後ろ盾に持つPCメーカー「ファインTD」社長・滝本誠一郎(高嶋政伸)と徹底的に戦う準備を進めていた。

あけぼの社長で、芝野とは大学の同期だった諸星恒平(筒井道隆)も、従業員を守ることを優先的に考えて行動していたが、滝本の仕業で社長を解任されてしまう。当然、同時に芝野も再生担当執行役員から外されたが、鷲津は2人と会って「ここからが本当の勝負です」と声をかける。そして鷲津は記者会見を開き、あけぼのに対してTOB(会社の経営権の獲得などを目的とした株式公開買い付け)を行うことを宣言する……という展開だった。

 視聴率では苦戦しているものの、役者陣はそれぞれいい味を出している。当初は「オーバーだな」と感じた綾野の演技も、すでに「鷲津はこういう男」と思えるほど定着。一方で渡部から「首切り屋」と呼ばれながらも人間らしさを失わない芝野には、哀愁のようなものが感じられる。滝本役の高嶋についても、「“欲にまみれたいやらしい男”をやらせたら右に出るものはいないのではないか」と、感心するレベルだ。

 また、物語も着実に白熱してきている。買収劇はもちろん、今回はホライズンジャパンの新社長に就任したアラン・フジタ(池内博之)の動きが興味深かった。アランはもともと、鷲津の右腕として活躍していたが、次第に反発心を抱くようになり、鷲津がホライズンジャパンから追放されるように仕向けた張本人だ。アランは実利のみを重んじない鷲津の方針が不満だったはずだが、社長の座を奪った後は、鷲津を徹底的に否定することにとらわれてしまう。

 その結果、ホライズンジャパンの投資先企業を、サムライファンドが総額1200億円で買い取ることが決まった際、「ホライズン」本社が合意していたにもかかわらず、アランは“鷲津憎し”の感情で暴走。それで鷲津を負かした気になったようだが、結局は鷲津から「ビジネスは利益を最優先に考えるもの。なのにお前はその信念を捨てた。くだらない私情に走って」「このビジネスに勝者はいない」などと言い渡され撃沈。正直、もう少しアランがドラマを掻き回してくれるのかと思っていたが、早々に自爆したことで小物感が際立って良かった。

 ところで今期、『ハゲタカ』と同じ木曜日のゴールデン・プライム帯で放送中の連ドラは、上川隆也主演の『遺留捜査』第5シーズン(テレビ朝日系)と、山崎賢人主演の『グッド・ドクター』(フジテレビ系)が、どちらも現時点で全話2ケタ台の好視聴率をキープしている。鷲津とアランとは違い、視聴率は確実に「勝敗」が分かれてしまうので、そろそろ『ハゲタカ』の2ケタ台復活にも期待したいところだ。
(文=美神サチコ/コラムニスト)

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