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ソフトバンク、莫大な利益累積サイクル…資金調達計画に暗雲、上場廃止説も

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ソフトバンクグループ・孫正義会長兼社長(写真:つのだよしお/アフロ)

 米自動車業界の先端を行く電気自動車(EV)メーカー、テスラのカリスマ創業者、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の動向を注意深く見守っている経営者がいる。

 証券会社の首脳は、ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長がそうだと指摘する。マスク氏が、株式の非公開化の方針をツイッターで明らかにしたことがきっかけだ。

 マスク氏は、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏が2011年に死去して以降、シリコンバレーを代表する起業家となった。

 そのマスク氏が8月7日、「1株420ドルで、テスラの非上場化を考えている。資金を確保した」と、突如ツイートしたことから大騒動になった。実現すれば720億ドル(約8兆円)規模という世界最大のMBO(経営陣が参加する企業買収)となる。資金はサウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)から調達すると伝わっていた。

「株価の変動に邪魔されず経営に専念できる(ようにしたい)」と主張した。マスク氏の苦悩の背景には、テスラ株に対するヘッジファンドの空売りが相次いでいたことがある。

 収益の柱と期待される大衆向け車種「モデル3」の生産の遅れが原因で、2018年4~6月期連結決算は7億ドル超(約800億円)の最終赤字を計上。6月末の現預金は約22億ドルと3カ月で約4億ドル減った。

 マスク氏は「長期投資をする“うるさくない”株主からの出資は維持し、サウジのファンドと自分が主導してMBOをやる」といった、実に虫の好いシナリオを描いていたのだろうが、資本市場はこれを“背信”と断罪した。すると一転して8月24日、テスラは「上場を維持する」と発表した。

 マスク氏は「株主から上場維持を求める声が多く寄せられた」「株式非公開化に当初想定したより、はるかに時間がかかり、混乱を招くことが明らかになった」と、撤回の理由を語った。

 マスク氏が資金調達先としていたサウジアラビアで異変が起きたことが影響したとみられている。ロイター通信は8月22日、関係者の話として「サウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコの新規株式公開(IPO)が中止になる」と報じた。上場が中止になれば、ムハンマド皇太子が主導する改革への影響は避けられない。アラムコの上場は政府系ファンドPIFの財源を潤す狙いがあった。

 マスク氏は、PIFからの資金調達で株式の非公開化を計画したとされる。「サウジアラムコの上場中止で資金調達が難しくなった」と、米ニューヨークのアナリストは分析した。米証券取引委員会(SEC)が情報開示の手法について調査を始めたほか、「資金を確保したという投稿は虚偽だ」として、一部の投資家が訴訟を起こす動きを見せたことも無視できなくなった。

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