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「ブルーライトは目を傷めない」「PC用メガネは推奨しない」…米眼科学会が表明

「Getty Images」より

 スマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)などの発する「ブルーライト」は、有害なのか無害なのか――。米国で一大論争が巻き起こっている。

 米国オハイオ州のトレド大学のアジス・カルナラスン(Ajith Karunarathne)博士は7月、「眼の光受容体が必要とするレチナール(網膜の杆状体に含まれる視紅の構成物質)の研究を重ねた結果、携帯電話、ノートPC、スマートフォンなどが発するブルーライトは、レチナールの毒性反応を誘発し、目の光受容細胞を死滅させることから、網膜の損傷を引き起こし、加齢黄斑変性症の進行や失明を早める可能性がある」とする研究論文を英オンライン科学誌『Scientific Reports』発表した()。

 しかし、カルナラスン博士の研究に真っ向から反論する論調がある。

 米国眼科学会(AAO)は8月、「スマートフォンのブルーライトと失明に関連性はなく、ブルーライトは失明させない。ブルーライトは睡眠の妨げにはなっても、目を傷めるという科学的根拠はない。PC用メガネも推奨しない」と、強く表明した()。

 発表によればカルナラスン博士の研究は、極端な量の光を投射したラットでの動物実験の成果にすぎず、ヒトの眼から採取した細胞を使用していないので、眼の健康とは無関係だという。2017年に発表された「スマートフォン失明」という結果は、片方の眼を閉じながら、もう片方の眼でスクリーンを見続けたために一時的に発生した状態にすぎないという。

 さらにAAOは、ブルーライトをブロックする眼鏡やフィルターの効果が実証されず、長期的な副作用も不明だとして、ブルーライトをブロックする眼鏡やフィルターも推奨していない。

 ただ、ブルーライトは、サーカディアンリズム(概日リズム)に影響を与え、睡眠の質を低下させる可能性があるため、スマホや携帯電話を寝室の外に置くこと、ドライアイになる可能性があるので長時間、スマホや携帯電話を凝視しないことを推奨。眼の健康が気になる人は、眼科医に相談するよう呼びかけている。

 大衆紙USA Todayは、「携帯電話やタブレットからのブルーライトが網膜に損傷を与え、失明を加速し、視力を傷つけ、重大な睡眠障害を招く可能性がある」と警告した()。

 ブルーライトの功罪について、カルナラスン博士の研究の根拠か、AAOの反論の正当性か――。決着がつかない。

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