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野球ならボール、文房具なら学習ノート…地味なビジネスほど儲かる?

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目立たない小さな市場で確実に勝つという戦略

 
 巨大なビジネスを狙わず、それほど大きくない規模の市場でよいと割り切り、設備投資と知的財産権の問題がクリアできさえすれば、ボールやシャトルは利益率が高く資金の回転もよいビジネスです。ビジネスで一旗揚げたいと考えると、どうしても目立つ市場に目を向けてしまいがちです。野球ならバットやグローブ、ゴルフならドライバーやパター、バドミントンならラケットです。しかし、ボールやシャトルなどのマーケットは、目立たないために一般の人は注目しませんが、新しいビジネスを生み出したいと考えている人ならば、こうした市場を狙うという着眼点を持つことが必要です。

 今、例に示したような市場であれば、知的財産権を調査したうえで海外のメーカーと組んで、安い商品を提供するようなことは十分に考えられます。実際に始めてみると既存のメーカーも対抗策を打ってくることと思いますが、特に法的規制もない自由競争市場ですから、野球用品市場を変えたい、たとえば、野球をしている子供を持つ親の負担をもっと減らし、日本の野球選手の能力の底上げに貢献したい、という強い意志をもって、粘り強くやれば一定規模のシェアを奪うことはできるでしょう。

 野球のボールやバドミントンのシャトルは、本体そのものの機能が非常に短い寿命で消費される消耗品ですが、本体に付随する消耗サプライ品で利益を取るビジネスがあります。これは古くから「ジレットモデル」と呼ばれて知られるビジネスモデルです。髭剃りの本体を安く売って、消耗品である替え刃を継続的に使ってもらうことで利益を得る、というビジネスを始めた会社の名前を取って、こう呼ばれるようになりました。

 このモデルを応用したビジネスは数多くあります。たとえばプリンターです。家庭用のインクジェットプリンターは非常に安い値段で販売されていますが、インクカートリッジを買おうとして、その値段の高さに驚いた経験を持つ人も多いと思います。

 また、カプセル式コーヒーもジレットモデルです。人が集まるショッピングモールで、コーヒーの香りを辺りに漂わせながら、試飲の大盤振る舞いをしているのをよく見かけます。専門店が出すような本格的なコーヒーを自宅で簡単に淹れることができて、マシンはインテリアとしても映えるデザイン。値段は一般的なコーヒーメーカーとそれほど変わらない値段で、しかもコーヒーのカプセルがたくさん付いてきます。

 しかし、肝心のカプセルは1杯当たり100円もします。豆を買ってきてコーヒーフィルターで淹れれば、高級な豆を使っても1杯当たり80円、もっと安い豆を使えば10円を切る値段でコーヒーが楽しめることを考えると、カプセル式コーヒーはかなりの贅沢品といえるでしょう。

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