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ソフトバンク、盟友「サウジ」危機で揺らぐ経営…巨大ファンドへの出資が白紙化の可能性も

ソフトバンクグループ・孫正義会長兼社長(写真:ロイター/アフロ)

 今夏、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が注視していたのは、米自動車業界の先端を行くEVメーカー、テスラのカリスマ起業家、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の動向だった。

 マスク氏が、8月7日「1株420ドルで、テスラの非上場化を考えている。資金を確保した」とツイートしたことから、大騒動が持ち上がった。実現すれば720億ドル(約8兆円)規模という世界最大のMBO(経営陣が参加する企業買収)になる。資金はサウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)から調達するとみられていた。

 ところが、8月24日、マスク氏は株式非公開化の計画を撤回すると発表した。

 ロイター通信が8月22日、サウジの国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)が中止になると、関係者の話として報じた。サウジは石油依存からの脱却を目指し、上場で得た資金を経済構造改革に充てる計画だった。上場が中止になれば、ムハンマド皇太子が主導する改革への影響は避けられない。

 アラムコが上場すれば、時価総額は2兆ドル(約220兆円)を超えるといわれた。実現すれば過去最大のIPOになる見込みで、PIFの財源を豊かにする狙いがあった。ところが、サウジアラムコの上場中止で資金調達が難しくなり、PIFは国際銀行団から110億ドル(約1兆2300億円)の融資を受けることになった。余った資金を将来のために投資する資源国の政府系ファンドが借り入れをするのは異例だ。

 これが、マスク氏が株式非公開計画を撤回した“隠された理由”といわれている。

10兆円ファンドの最大の出資者、サウジの政変

 孫氏にとって、テスラ氏の迷走は他人事ではなかった。サウジの異変は、ソフトバンクにも大きな影響を及ぼしかねない。運用額10兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」に、PIFは450億ドル(約5兆1000億円)出資することで合意しているからだ。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は9月30日、サウジ政府関係者の話として、サウジがソフトバンクと計画していた2000億ドル(約23兆円)規模の太陽光発電計画が棚上げされると報じた。

 サウジとソフトバンクは今年3月、2030年をめどに計2億キロワット分の太陽光発電所を建設する計画を発表した。同年の太陽光発電能力の15%を占める大規模プロジェクトになるはずだった。

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