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木村隆志「現代放送のミカタ」

なぜ『大恋愛』称賛ムードは生まれたのか?賛否が分かれる2つの「感動スイッチ」

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「」より
 視聴率では『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)、『下町ロケット』(TBS系)、『相棒』(テレビ朝日系)らにかなわないが、評判なら負けていない。『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)が、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)とネットメディアで称賛を集めている。


 ただ、ネットメディアに関しては、SNSでの盛り上がりを見て「称賛記事を量産しているだけ」というのが現実ではないか。実際、私のところにも「『大恋愛』は熱心な視聴者が多く、PV(ページビュー)が取れるから」という理由でコラムの執筆依頼が何本も来ている。

 ちなみに、それらの依頼は「称賛記事を書いてほしい」というものだったため、断らせてもらった。ここではPV狙いの称賛記事ではなく、あくまで中立な立場から、称賛の理由と、その裏に潜む問題点を書いていきたい。

“格差”“難病”は使い古された定番


『大恋愛』は、若年性アルツハイマーに侵された美人女医・北澤尚(戸田恵梨香)と、元小説家の引っ越しアルバイト・間宮真司(ムロツヨシ)のラブストーリー。「外見、年齢、職業の“格差”を入り口にしつつ“難病”をからめて、純愛ムードを高めよう」という狙いは明らかだ。

 その“格差”と“難病”は、30年以上前から恋愛ドラマの定番となっているものであり、視聴者の感情移入を誘う常套手段。「わかりやすく、感動しやすい」半面、「意外性がなく、しらじらしい」という二面性がある。「やっぱり“格差”モノはいい。“難病”モノは泣ける」と思うか、「また“格差”モノか。“難病”モノは見飽きた」と思うか、見方が真っ二つに分かれる作風であり、現在の称賛ムードに違和感を抱く人も少なくないだろう。

「大好き」と「大嫌い」がはっきり分かれているが、わざわざSNSで声をあげるのは「大好き」な人が大半を占め、ツイッターのつぶやき頻度も高い。ゆえに、つぶやいている人数以上にホットワードとなりやすく、それを見たネットメディアがPV狙いで称賛記事を量産する。

 さらに、それを見た未視聴の人々が「これはおもしろいドラマ」という先入観を持って観るため同調しやすい上に、違和感の声をあげにくい同調圧力も醸し出した。このような流れが、現在の「称賛一色で批判しにくいムード」を生んでいるのではないか。

『グッド・ドクター』『ぎぼむす』との共通点


 見逃せないのは、“格差”と“難病”のような2つの感動スイッチを用いたドラマが今夏からトレンドになっていること。事実として、『グッド・ドクター』(フジテレビ系)には“サヴァン症候群の主人公”と“子どもの命を救う”、『義母と娘のブルース』(TBS系)には“ともに幼くして両親を亡くした義母と娘”と“血縁を超えて愛情を育む”という2つの感動スイッチがあった。

 両作も『大恋愛』も2つの感動スイッチを用意することで、「泣けた」「あざとい」の賛否両論を呼んでいる。言ってしまえばベタな設定なのだが、それが現在「このドラマが大好き」という熱烈なファンをつくるための最善策なのかもしれない。

 また、『大恋愛』を語る上で比較対象として挙げたいのが、『獣になれない私たち』(日本テレビ系)。『大恋愛』が“格差”“難病”という定番の切り口を使ったわかりやすいラブストーリーである一方、『獣になれない私たち』はあえて「ラブかもしれないストーリー」を掲げたわかりにくい作風に挑戦している。

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