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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

AKB“総選挙”に、なぜ国民は熱狂したのか…類まれな大成功イベントの本質

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2013年のAKB選抜総選挙の模様

 

 毎年の恒例行事となっていたAKB48選抜総選挙(以下、AKB総選挙)だが、今年は3月の時点で早々に休止を発表。その理由については明らかにされていないが、大きなアイドルムーブメントをつくったコンテンツにひと区切りがついたという事実には変わりはないだろう。

 そこで今、改めてAKB48総選挙とはなんだったのかを、経営学・マーケティングの視点から立教大学経営学部教授の有馬賢治氏に解説してもらった。

「AKB株主総会」と言わない理由

 まず有馬氏は、「AKB総選挙は、国会議員を投票で民主的に選出する『総選挙』という名称がついてはいますが、その本質は株式会社での株主総会の議決権に近いです」という。

「これを説明する予備知識として、株式会社制度について簡単に説明しておきましょう。株式会社は株式市場で有価証券(株)を売却して不特定多数から資本を調達します。そして、この株の購入者を株主と呼びます。株主は出資額を回収できるとは限りませんが、株を購入することで、その会社から配当やさまざまな優待を受けられるようになります」(有馬氏)

 さらに、株主は「株式会社の国会」ともいえる株主総会への参加権と議決権が与えられる。

「株主総会の主な議題は、会社の『設立』『合併』『改組』『解散』『取締役と監査役の選任及び解任』などです。これらの議案の採決に際して、株主には1株につき1つの議決権が与えられています。つまり、1人の株主でも複数の株を持っていれば、複数票の議決権を行使できるのです。そして、その数が多ければ多いほど議決に対する影響力を持つようになります」(同)

 AKB総選挙も、この株主総会の議決権と同様に、AKB48のCDを買えば買うほど封入される投票権もたくさん入手できる。そして、開票結果は株主総会での議案の議決に類似しているので、確かに構造は株主総会に似ている。しかし、なぜか「AKB株主総会」とはいわない。

「アイドル業界で“株主総会”ではキャッチーさに欠けますし、実態が人気投票だからといって『AKB48人気投票』にしても応援の熱意によって推しメンのためにたくさんお金を使っていることが透けて見えてしまいます。しかし、“総選挙”と銘打つことで民主的なイメージが生まれて、誰もが平等に投票できる権利を持っているような印象を与えることができるというわけです」(同)

歌やダンスに高いスキルが求められない現代のアイドル像

 AKB総選挙は、ネーミングの妙もあって、元からの熱心なファンに限らず誰でも参加しやすい空気感が生まれて、日本中を巻き込んだイベントに育ったともいえる。そして、このシステムがアイドルのあり方そのものを変えた。

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