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キヤノン、苦境深まる…83歳・御手洗会長“24年間トップ君臨”の異常経営が元凶

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キヤノン御手洗冨士夫会長兼CEO(写真:ロイター/アフロ)


 キヤノンが業績低迷から抜け出せない。2019年12月期の連結純利益(米国会計基準)が前期比37%減の1600億円になる見通しだと発表した。従来予想の2000億円から400億円の減額修正となる。連結売上高は前期比5%減の3兆7450億円の見通し。従来予想より1050億円引き下げた。営業利益は37%減の2150億円の見込み。590億円下回り09年12月期(2170億円)以来、10年ぶりの低水準にとどまる。

 主力のデジタルカメラやレーザープリンターなどの需要が、会社側の想定を上回るペースで減り、4月に続き今期2度目となる下方修正となった。デジカメはスマートフォンの普及で世界的に市場が縮小している。カメラなどイメージングシステム部門の19年12月期の売上高は前期比11%減の8650億円、営業利益は50%減の630億円に激減する見通しだ。事務機器などオフィス部門もペーパーレス化の流れで欧州を中心にプリンターの販売が伸びず、トナーなど消耗品も落ち込んだ。売上高は3%減の1兆7460億円、営業利益は13%減の1924億円になる見込み。

 ここにきて鮮明になっているのが、レーザープリンターや半導体向け露光装置の減速だ。半導体市況の悪化で顧客が導入を先延ばししている。露光装置などの産業機器部門の売上高は9%減の7696億円、営業利益は66%減の190億円に激減する予想を立てている。これまでキヤノンの屋台骨を支えてきたデジカメや露光装置が減速し、プリンターも苦戦している。

 最大の課題は、次世代のキヤノンを担う新たな稼ぎ手が育っていないことだ。16年、6655億円で旧東芝メディカルシステムズを買収。「将来の主力にする」と御手洗冨士夫会長兼CEO(最高経営責任者)が意気込んでいた。メディカルシステム部門の19年12月期の通期売り上げの見通しは7%増の4690億円、営業利益は21%増の348億円と増収増益になるが、グループ全体の営業利益の16%を占めるにすぎない。戦略的買収の効果は出ていない。

 今後、成長を続けるには、医療機器分野でのM&A(合併・買収)は欠かせない。御手洗会長は「いい案件があれば、いつでも買う」としている。

売上高5兆円という“願望”

「2020年に売上高5兆円に再挑戦する」

 御手洗会長はこうぶち上げた。5カ年(16~20年)の長期経営計画では売上高5兆円以上、営業利益率15%以上、純利益率10%以上を目標に据えた。19年の最新見通しによれば売上高は目標の4分の3の水準。営業利益率は5.7%、純利益率4.3%と目標を大きく下回る。長期経営計画は必達目標ではなく、願望を数値化しただけでしかなかった。

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