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有馬賢治「今さら聞けないマーケティング 基礎の基礎講座」

AKBグループは人気が失速し、SMAPが人気を成長し続けられた理由

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2013年のAKB選抜総選挙の模様

「日本企業には優れた技術があるが、マーケティングのノウハウがないために海外企業に負けてしまう」という解説がよく聞かれ、書店にはマーケティングに関する書籍があふれている。マーケティングの基礎の基礎を解説している本連載。前回はサービス財の特徴について整理したが、今回はサービス財を提供する際に注意すべきことを、立教大学経営学部教授の有馬賢治氏に解説してもらおう。

期待に応えるだけでは飽きられてしまう「期待不一致モデル」

――サービスはトライアルの一回だけではなく、リピートしてもらわなくては、うまくいったとはいえないということですが、それこそがサービス財の重要な本質ということでしょうか。

有馬賢治氏(以下、有馬) その通りです。サービス財における売り手と買い手の関係に注目すると、サービスは提供活動そのもののなかに相互制御関係が含まれています。つまり、サービスの提供には顧客の参加が必要なのです。例えば、美容院に行って美容師に髪をセットしてもらわなければ、客はサービスを消費できません。その際に、売り手である美容師は、買い手である消費者の好みや考え方を考慮に入れてサービスを提供する必要があるのです。

――買い手によってサービスの結果が変わってくると。

有馬 はい。消費者によるサービス財の生産過程への参加態度は、企業のサービス・マーケティングに強い影響を与えます。サービス・マーケティングは本来予測や管理が困難で不確実性の高い消費者の嗜好を直に取り入れなければならず、“モノ”(製品)のマーケティングとは本質的に異なる戦略が必要とされるのです。

――具体的には、どのようなところが異なるのでしょうか?

有馬 例えば洋服の場合、試着してから購入を検討できますが、旅行やレストランなどは料金を支払って経験してからでないと、納得できるサービス内容かどうかを判断できないですよね。

――なるほど。最近ではネット上のクチコミを元に検討するユーザーも多いですが、それもどこまで参考にしていいか難しいところです。

有馬 さらにサービスの顧客満足は、事前に抱いていた期待の水準よりも高い品質のサービスが提供されたときに感じられるという特徴があります。体験したサービスが期待と同等だった場合は、そのサービスへの関心は次第に薄まってしまいます。これを「期待不一致モデル」と呼ぶのですが、一度体験した満足は経験値が上がるとそれ以上が期待されてしまうのです。したがって、リピートが求められるサービス財の場合は、常に期待以上のサービス、パフォーマンスを提供し続ける努力が求められてくるのです。

一瞬で消費される「アイドル」や「お笑い芸人」

――それは相当難しいですね。

有馬 いい例が、存在自体がサービス財といえるアイドルではないでしょうか。人気を得て同じパフォーマンスを続けていても、一部の熱狂的なファンを除いて、多くのファンは一定期間で離れてしまいます。個性のトーンアンドマナー(統一感)は維持しつつも変化にも挑戦しないと、人気は保てません。AKB48グループは「会いにいけるアイドル」というコンセプトから多様な展開で一世を風靡しました。しかし、その活動にテンプレ化が進んだ結果、今では以前ほどの人気は失ってしまったといえるでしょう。

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